【続】俺様甘甘王子様
三田君はシートを倒すレバーを引いて、あたしの背もたれのシートを手で押しながら、シートを倒してくれた。
『できました、これでおっけーです』
今までシートを倒すことに夢中だった彼は、そう言ってあたしのほうに顔を向けてきた。それが思っていた以上に近く、お互い恥ずかしくなる。
『すいません、俺シート倒すことに夢中で』
「あ、ありがとう」
三田君はすぐに自分のシートの背もたれに寄りかかって、手で顔を覆い始めた。あたしはそんな三田君に、少しどもりながらもお礼を言った。
数分すると、アナウンスが入り、プラネタリウムが始まった。
「きれい……」
夜空一面に映し出される数々の星は、本物のようで本当にきれいだった。こんなにもたくさんの星を見たのは初めてで、とてもうれしかった。あたしはそんなプラネタリウムに夢中になっていた。