【続】俺様甘甘王子様
『カップルですって』
近くのベンチに腰を掛けて、クレープを食べていると、さっきのことを思う出すかのように三田君は言う。
『先輩のクレープいただき』
そのあとすぐに横から、三田君はあたしが手に持っているクレープを食べた。
「三田君って、人のもの食べるの好きなの?前もそうだったけど」
『え?だって人のものっておいしそうに見えません?ほら、先輩も、俺のクレープどうぞ』
「え、あ、うん」
あたしは返事をして、三田君のクレープをほおばった。クレープはとてもおいしかった。だけれども、あたしの心の中はやっぱり複雑で、このままじゃいけないと思ったのだった。
「ねぇ、三田君。この前の告白の返事だけど、あたしね……」
あたしは三田君の方に顔を向けて、話を始めようとした。しかし、三田君はあたしの口元に、人差し指を立てて、悲しそうに笑った。その行動にあたしもためらってしまう。