【続】俺様甘甘王子様



『そんな雅さんは、お綺麗で』

「その言い方何よ」

『褒めてるんだっての。それに今日は、背も少し伸びてるみたいで』



そう言った龍はあたしの背を図るように、頭の上に手を軽く乗せる。龍の言う通り、今日はヒールを履いているから、いつもよりも背が高くなっているのだ。



「夢、叶ったね」

『おう』



高校を卒業して、龍は無事大学に進学した。あたしも女子短大へ進学して、お互い離れ離れになってしまったけれど、心はずっとつながっていた。それから、龍は大きな会社に就職して、今はやっと仕事に慣れてきている感じだった。あたしも実は、龍の会社の受付をしていて、今は一緒に暮らしていた。そして、やっと、この日がやってきたのだ。





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