【続】俺様甘甘王子様


――あたしと龍は、屋上へとつながる階段に来た。


『雅……ごめん』


先に謝ってきたのは、龍だった。あたしの目を真剣に見つめ、謝ってきた。

それでも、あたしはすぐには反応できなくて、言葉を詰まらせた。それを察したかのように、龍は再び口を開く。


『先生と俺は幼馴染みで、蜜に何言われたかわかんねぇけど、本当やましい関係とかないから。俺にとっても、今は、ただの幼馴染み。それにあの時、怒鳴ったりしてごめん』


龍は、正直に話したのに、何故かチクリとあたしの胸が痛む。”今は、ただの幼馴染み”という言葉に対して、心が痛んだのだと思う。あたしは、それ以上関わってはいけないんだと、心の中で思った。それでも、聞きたいと思ってしまう自分がいる。


「あたしは、龍の昔のこととか、全然わからないけど……けど!!」


あたしもやっと口を開くが、自然と涙が出てしまっていた。







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