【続】俺様甘甘王子様
『あらー広佳ちゃん?!久しぶりね~!!』
母さんが夕飯の支度を終えた様子で、玄関へと小走りしてやってきた。
『あ、こんばんは!!夕飯ご馳走になってもいいですか?』
『大歓迎よ!!さっ、早く上がって~』
母さんは、広佳にそう答えると、またリビングへと戻って行った。広佳は、靴を脱ぎリビングへと足を運ぼうとする。その時、俺に話しかけてきた。
『何よ、龍、辛気臭い顔しちゃって』
「お前のせいだっての」
『なんで私のせいなのよ!!久しぶりに、龍の家に来たってのに~……おばさーん!!龍がいじめてきます~!!』
「ちょっ、広佳!!」
小学生みたいに、広佳は母さんに報告しようとする。それを引き留めた俺に、ハハッとガキっぽく笑顔を見せる広佳だった。
俺は、懐かしく感じた。何年振りかもわからないのに、全然変わっていない広佳の笑顔に。
あの入学式の日、広佳が担任で俺も正直驚いたんだ。