【続】俺様甘甘王子様
昔、好きだったころの広佳の笑顔を思い出す――
――俺が中学生だったころ…………
◆◆◆◆◆◆
『龍ー!おはよー!』
「…おはよ」
『寝ぐせついてるよー?』
朝から元気のいい広佳は、俺の寝癖をつかんできた。俺は、朝は少し機嫌が悪く、あくびをしながら、広佳の手を退けた。
「うるせェ…」
中学2年の俺と、大学に通っていた広佳は、朝は同じ時間に家を出ていた。俺と広佳の家は近くて、小さい頃はよく、俺と蜜と広佳の3人で遊んでいた。
この頃から……いや、この頃よりも前から、俺は広佳のことを”ただの幼馴染み”としては、見ていなかった。
『この前のテストどうだったの?勉強してなかったでしょ?』
「どうって…別に」
『さては、悪かったのね!もう、おばさん泣くわよ~』
「なんで母さんが泣くんだよ!」
『龍が頭悪くて、高校いけないとかになったら』