【続】俺様甘甘王子様



――でも、そんな嬉しさはあっけなく消えていった。


◆◆◆◆◆◆


『龍!聞いて!』

「んー?」


――中学3年の受験真っただ中の冬。


俺は本当に、広佳に家庭教師をしてもらっていた。

勉強の合間の休憩時、広佳は嬉しそうに話しかけてきた。


『実はね~』

「何だよ、早く言えよ」

『私、彼氏できたんだ!』

「は…?」


恥ずかしそうな広佳とは逆に、俺の表情は崩れてしまいそうになる。でも彼女には見せられないと思って、隠すのだった。


『1つ年上なんだけどー、結婚を前提に!だって』

「………」

『どうよ、龍!私だって彼氏できるんだからね!龍も早く彼女つくりなさいよー』




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