【続】俺様甘甘王子様
「俺は、ずっと前から……広佳が好きだ。今までずっと黙ってきたけど……」
俺はそう言うと、勝手に体が動いて…泣いている広佳をいつの間にか抱きしめていた。
前まで広佳の方が背が高かった。今なんか、広佳の方が小さくて。抱きしめてみれば、肩幅も小さくて。初めて女の子を感じた。俺の手で、この腕で。
広佳の顔にゆっくりと、自分の顔を近づける。嫌がる広佳に、俺はキスをした。
『ん……いやっ!!』
ドンっと、力いっぱいに広佳に押され、すぐにくっついていた体は離れ、俺は尻餅をついた。
俺は彼女を見上げる。広佳の目は、泣きすぎて真っ赤になっている。
――どうして俺は、広佳を泣かせてしまうんだろう。どうして俺は、広佳の幸せを祝ってあげられないんだろう。