真面目君、不良に憧れる



貴音が近くに寄ると、ふわりと香水の匂いがする。



「いい匂いですね!?」

「そーでしょ!!善が選んでくれたやつなの!」




嬉しそうな顔をして、そう言った貴音を見た俺の顔もたぶん嬉しくて、笑ってたと思う…




「それにしても、近くで見ても、綺麗ですね?…―琵「あ!!強樹!さっきの話、貴音に聞いてみろよ!」



今!今、絶対に“琵陣”って言おうとしただろ!!!!

やめてくれよ…



止めんの俺なんだからさ…



「さっきの話?何々??」


「実は、善みたいな着こなしをしてみたいんだ!!」


「――――不良スタイル!?」



その言葉を口にした瞬間、俺の方を向いて、若干…睨まれた。



なんで!?なんで怒られなきゃいけないんだ!?







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