真面目君、不良に憧れる
―次の日…
「せっ…せん…浅争?」
「はい!おはようございます、野川先生!」
何だかんだ言って、爽やかな笑顔の、強樹。
極細の目を力一杯開く、野川。
そして…
「こらぁぁぁーーっ!!!!
――富良っっ!!!!」
やっぱりぃ〜っ!!!!
「ちげーよっ!!先生、信じて!!」
とにかく、逃げた。
捕まったら、終わりだから。
「じゃあ、逃げんなぁぁっ!!!!」
「そっちが、追っかけてくっからだよっ!!!!」
「てめぇーがしたのはわかってんだぞ!富良ーっ!!」
わかってねぇーし!!!!
「俺、悪くねぇーし!!!!」
「じゃあ、今日の浅争はなんなんだぁぁ!!!!」
「あれは、強樹が自ら―「そんなわけあるかぁぁぁぁ!!!!」
話し聞く気ゼロじゃんっ!!!!!!
ひでぇー!!!!
走ってる時―…
必死に逃げる俺を、楽しそうに笑う、貴音が見えた。
その隣には、申し訳なさそうに、怖がる……強樹が居た。