シュガーベイビー★キス
「はいはい、ちょっとどいてー。」


「お、おいっ…」




奏は俺を押しのけると地味女を連れてズカズカと家のリビングへと入っていく。





なっ………………






なんだよ…なんだよなんだよ!



おい、コラ。


クソ兄貴、ちゃんと説明しろやボケ!





「お前もボーっとしてないで早くこっち来い。」




奏にそう言われ俺は困惑した表情のままリビングに顔を出した。




どっかりあぐらをかいて座る奏と、その横で正座をし下を向いたままの地味女…




「お前も座れ。」





そして、言われるがまま2人の前に静かに座る俺。






違和感と、?マークだらけの俺をよそにバカ兄貴は淡々と話始める。




「えーっと、これが高2の弟で泉。ひまちゃんと同じ学校で高等部なんだよ。」







ひまちゃん…



ひまちゃんひまちゃんひまちゃんひまちゃん!?



コイツが言うひまちゃんは、俺の知る限りただひとりしかいない…




「同じって言っても中等部と高等部じゃ校舎も違うし広いから見たこともなければ知らないと思うけどさ。」



奏が笑ってそう言うと地味女は、



「えっ!?はぁ……まあ…」



と、うつむいたままなんとも歯切れの悪い返事をした。

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