シュガーベイビー★キス
そりゃそうだ。


だって俺たちはつい数時間前に顔を合わせているんだから。



それを知らないのは奏だけ。



つーか!


だからなんで、その数時間前に会った女が俺んちに来てるわけ!?





「で、泉。こちらの女の子が、あの神戸ひまりちゃんだ。」



「………はい?」




「だから、神戸ひまりちゃん。」






いや、別に俺は聞こえなかったから「はい?」と聞き返したわけじゃない。




信じがたい事実をつきつけられたから思わず口から「はい?」なんて拍子抜けした言葉が出てしまったのだ。





えっ?
うそうそ。
マジで?


今確かにコイツ、この地味女のことを「神戸ひまり」って言ったよな。



この地味で冴えない女が…



あ………あの……



テレビで引っ張りだこの………












神戸ひまりだと!?






「………ウソだろ。」




そう言わずにはいられなかった。


何かの間違いじゃないかと…手違いじゃないかと…むしろ詐欺にもほどがある!



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