シュガーベイビー★キス
「うそじゃないし。」


「うそだろ。新手の詐欺だろ。どういうつもりだよ。」


「ったく、お前は本当にひねくれてんのなー。じゃあひまちゃん、申し訳ないんだけど仕事スイッチ入れてくれる?」



「えぇ!?むむむムリムリ!」





地味女は首が取れんじゃないかと思うくらい横に振った。



これがあの神戸ひまり…ますます信じがたい…。



「じゃあ、ひまちゃんいつもの自己紹介お願いしまーす。」


「だっだから!むむむむムリだってば~!」



「はいCM明けまで~、3…」



「ちょっと奏くん!」



「2~………1……」




「こんにちはー☆神戸ひまりですっ!まだまだ子どもだけど、仲良くしてくださいっ♪」



「はいカットおぉー!どう?あの神戸ひまりだったでしょ……って、おい、泉!聞いてんの!」



「……うるせえ。ちゃんと聞いてわ。」






確かに今、


たった一瞬、


俺の目の前にいる地味女があの“神戸ひまり”に変わった。


まるで別人。


悔しいけれど、


芸能人・神戸ひまりになった瞬間、


可愛いと一瞬だけ思ってしまった。



「どう?信じてくれた?」


「……わかったよ。」



もはやあれを見たら信じるほかなかった。


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