シュガーベイビー★キス
「ったく……あ。アイツもやっと来よったで。」



秋山先生が何かに気づき、軽く手をあげる。




「……ひっ!」



………………い、泉サマじゃんか!!!




振り返った目線の先にいたのは間違いなく泉サマ。

泉サマはあたしに気づくと「あ。」とだけ、つぶやいたがすぐに目線を秋山先生に戻した。




「…何すか、用って。」


「悪いんやけど、これ奏に返しといてくれへん?」



秋山先生は紙袋を出して泉サマに突き出した。



「え~?めんどくさ。まじ完全パシりじゃないっすか。自分でやって下さいよ。」



「だってアイツ忙しくてなかなか会えへんねんもん。身内の方がいくらでも都合つくやんけ。」




…身内?…奏?



それって……まさか…あの、奏くん!?



「それにタダでやってくれとは言わへん。お前の好きなイチゴミルク付きでどや!」



500ミリパックのイチゴミルクが机にどどーん!と出される。




「…まいど。つーか、次からは自分で何とかしてくださいよ。高等部からこっちに来るまで結構時間掛かるんすから。」



「ありがとう。助かるわ。」



泉サマは渋々紙袋を受け取ると、イチゴミルクを持って職員室から出ていった。



「へ~。泉サマと仲良いんですね。」



さっきの様子を見ていた修平くんが不思議そうに言う。



< 138 / 366 >

この作品をシェア

pagetop