シュガーベイビー★キス
「ひゃあっ!」


カットがかかった瞬間、神戸は椅子に座ったまま後ろに倒れた。



「ひまちゃん大丈夫!?」


「だ、大丈夫ですー…」







…………何やってんだか。




それから撮影は順調に進み、セットチェンジの間休憩となった。




「お疲れさま♪」



奏がペットボトルの水を渡すと神戸は半分を一気に飲み干した。


すげー勢い…




「で、どうよ泉。生のひまちゃんの演技は。すごいでしょ!」



確かにすごいけど…



「なんでお前がそんな自信満々なんだよ。」



「だって俺ひまちゃんのマネージャーだもんね!」




うざっ!




「奏くんはオーバーだよぉ…あたしなんてまだまだ……」




「…そうか?俺は素直に感動したけど。」



「いいい泉せんぱいっ!見てたんですか!?」



「見てたんですかって、ずっとここにいたじゃん俺。」



「そっそうなんですか!?てっきり、ずっとトイレに行ってて本番は見てないと思ってました……」



「どんだけ長いトイレだよっ!」




ホント本番中の神戸ひまりと同一人物とは思えないわ…



ボケボケの神戸にツッコミを入れたところで、誰かがこちらに歩み寄ってきた。



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