シュガーベイビー★キス
「よし。じゃあ始めるか。」



そう言うと泉サマは、あたしの手を取った。




「なっななななんですか!」




「何ですかって…手繋いでるだけじゃん。」




だ、だけって!
サラリと言いますが……あたしにとってはかなり重要なことですっっ!





「こんくらいでビビってんじゃねーよ。行くぞ!」



「うぎゃあっ!」




繋がれた手を引っ張られゲートを通過した。




おろろろ…




…あたしが思ってたデートとイメージが違うんですけど~!




「で、お前乗り物はどれでもいけるの?」



「え、あぁ…ジェットコースターとか胃が浮く乗り物が嫌いです…それ以外なら…」



「そっか。んじゃアレから乗るか。」



そう言って指さしたのは、360度回転するジェットコースター。





ちょ…ちょっと………





「話聞いてましたっ!?」



思わず恐怖より先に怒りがこみ上げた。



「聞いてた聞いてた。だから乗ろーって言ってんじゃん。ジェットコースターも慣れたら乗れるし、逆に360度のは遠心力でフワッとしないんだぞ?」



「そ、そうなんですか?」



何でもかんでも『慣れ』って言葉でごまかされてるような気がするのは気のせいですか…?




「それに…俺がいるから大丈夫。」



なんの恥じらいもなく耳元でささやかれ、あたしの心臓はドクンと高鳴ってしまった。




今日の泉サマ…いつもと違うからどうしたらいいかわかんないよ…!


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