シュガーベイビー★キス
小学生の頃のあたしは今よりもうちょっと明るかったように思う。


ズバ抜けて目立つような子じゃなかったし、友達だって多くなかった。



だけど、男の子とは普通に話せてた。



昔から地味だったけど…



別にそんなの気にしてなかった。





そんなある日、クラスで人気者の男の子に「好き」って告白された。




突然の告白だったし、


告白されたこと自体初めてだったから、



ビックリしたけど、それ以上に嬉しかった。



「ありがとう」って言ったら、男の子はほっぺたにチュッて軽くキスしてくれた。



これは夢なんじゃないかって思った。



次の日、早めに登校したら男の子たちが何人か集まって教室で話してるところで、その中にはあの男の子もいたからあたしは立ち止まってこっそり盗み聞きした。




「マジで!?すげー!そしたら神戸は!?」




あたしの……話?




「ありがとうって言って笑ってた。」




「あはは。キモ。」




「だろ?まさか本気にするとはな~。笑いそうになったよ。」



……………どういう…こと?





「俺らの負けってことかよ~!つまんねーの。」




「はいはい、みんな俺に500円ずつ寄越せよ~。こっちはしたくもないチューまでしてんだから。」




「俺、金もらっても神戸とだけはムリだわ。」



「俺もムリだな。」











あたしのことなんて



好きじゃなかった





あたしは、賭けの対象にされてるだけだった。



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