シュガーベイビー★キス



「すっかり遅くなったな。」



パークを出た時はすでに9時を回っていた。



「親、心配してない?」



「あぁ…普段から仕事の日は帰るのが遅いので大丈夫です。」



「そっか……とりあえずー…送るわ。」




「そっそんな!大丈夫です!」



「いや…普通の女子ならまだしも、お前芸能人だし。何かあったらヤバいだろ。」



「あ…そっか…。あたし芸能人でした…。」



「でしたって…もっと自覚しろよ。」



「すみません…」




帰りの電車は思ったよりすいていて、座れることが出来た。



ここから30分以上電車に揺られると思ったら眠くなってきちゃったな……






「ふわああ………わ!」






大きなあくびをすると同時に、あたしの右肩がガクッと重くなった。




「………あ…泉サマか…。」




あたしよりも先に泉サマが眠りに落ち、肩に寄りかかっていた。




うらやましいくらいキレイな寝顔だなー……








こんなに詳しく自分の過去を話したのって…







泉サマが初めてだ。








「泉サマ………今日は………ありがとうございました。」







こうしてあたしの人生で初めてのデートは幕を閉じたのだった。



< 186 / 366 >

この作品をシェア

pagetop