シュガーベイビー★キス
「…で、それからビビって読んでないと。」
彩ちゃんが頬杖をついて呆れた顔をした。
「や…そういうわけにもいかないからさ…一応見たんだけど……」
「おおっ!どうだった!?」
「……きっききき……キス……ばっかりだったあ~…!」
恥ずかしすぎる……
もう消えてしまいたい。
相手がよく知ってる樹くんだけに本っ当恥ずかしい…
恥ずかしいうえに、初キスが仕事だなんて…
あたしの人生…それでいいんだろうか。
そもそもキスになんてイイ思い出ないのに……
「そんなにキスが恥ずかしいなら練習したらいーんじゃない?」
「練習!?どうやって!」
「相手がいるじゃんか。優しい彼氏サマがさあ~。」
「ちょ…そそそそれって…」
そう言うと彩ちゃんは口パクで「い・ず・み・さ・ま」と答えた。
「………わけのわからないことをおっしゃらないで下さい。」
思わずマトモにツッコむ。
「だって話聞く限りまじイイ人なんだもん泉サマ!普通の女の子なら、そんなこと言われたりされたりしたら好きになっちゃうよなぁ…」
こないだのデートの報告をしてからというもの、彩ちゃんは泉サマを見直したようで、やたらとプッシュしてくる。