シュガーベイビー★キス
「あ!あの……この前はありがとうございました!」




まずはデートのお礼!



机におでこがくっつくくらい深々と頭を下げる。





「…………何かしたっけ俺。」



「えーと…この前のデートの…コトなんですけど…」




「ああ、アレ。……楽しかった?」



「へ?」



泉サマは頬杖をつくと、あたしの顔をじっと見た。




「初デート、になるんだろ?楽しかった?」



「あ……えっと………ハイ…楽しかった、です。」





絶叫マシンはツラかったけど…




「そっか……それなら良かった…。」




頬杖をついたまま、目線をそらすと、泉サマはフッと微笑んだ。



その微笑みは今までのような悪魔の微笑みではなく、優しさに溢れた笑み。



泉サマもあんな顔するんだ…初めて見た。





泉サマを凝視していると、目線がまた戻ってきた。




「……まさか用ってそれだけ?」



「え、あ、いや…実は…そのー…お、お願いがありまして……」



「お願い……?なに。」



あたしは背筋をピンと伸ばすと大きく息を吸った。




「だ………台本読むの…付き合ってもらえませんか!」




よ…よし…言えた!


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