シュガーベイビー★キス
「先生、話しってなあに?」





「………………………」





「………………………」



え?




泉サマはあたしの顔を見たまま固まっている。



あたし…なにか変だったかな…?




「………あの…泉先輩?」





「…あ、わりぃ………俺の番か……えーと……」




台本を顔の近くまで持っていく。


なんだ…ボーっとしてただけか。






「……こ、コノマエノホウカゴノコトナンダケド………」






そしてまさかの棒読み!






「ちょ…ちょちょ!待ってください!」




「なに。」





「あのですね…頼んでおいてこんなこと言うのは心苦しいんですけど……その…もうちょっと感情こめて読んでくれるとー…ありがたいんですが…」




「ああ!?めんどくせぇなあ……一般人の俺に演技を要求してくるとは……」




ひーっ!
明らかムッとしている。



「ごめんなさい。やっぱり大丈夫です!」と言おうと思ったところで、泉サマは「……わかった。ちょっとは努力する。」と言ってくれた。




優しいんだか怖いんだかイマイチよく分かんないなあ…




「とりあえず、あと10分待て。大まかな流れとセリフを頭に入れるから。」



「は…はい…」




10分でこの量を頭に入れるなんて…さすが泉サマだな。



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