シュガーベイビー★キス
耐えきれず、撮影の途中でスタジオを出た。



重くて苦しい衣装を脱ぎ化粧を落とすと、制服に着替え、スタジオ前の廊下のベンチに座る。



本当は今すぐ帰りたかったけど、残念なことに帰り方が分からない…



つまり、神戸の撮影が終わるまで俺はここで待ってなきゃなんねぇ…









「……………最悪。」





神戸の衣装チェンジがあったりで撮影が終わったのはそれから4時間後だった。





「……い……おい!起きろ!」




「……あぁ?」







気づくと俺は座ったまま爆睡していたらしく、奏にこつかれ起こされた。




「今、ひまちゃん着替えてるからあともうちょい待ってて。俺、車出してくるから。」




「あぁ…」





やっと帰れる………



ホッとして背伸びをすると、後ろから誰かがトントンと肩を叩いた。




「……………げ!西山…」



「げ、とは心外だなあ。俺何か悪いことしたっけ?」




片手でペットボトルを持ち、もう片手でスーツのネクタイを器用に外す西山。その様子に悪びれる姿は全くない。




つーか、さっき俺に対して言ったことを悪いとは1ミクロンたりとも思ってないんだろう。




嫌味だったのは確実なのに。






「何か用。」




殴りたい衝動を抑えそうつぶやいた。




「実は俺、泉くんと色々話したかったんだよね。同い年同士♪」






………………俺と…?



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