シュガーベイビー★キス
「……公私混同も甚だしいな。」




「でも仕方ないよね。好きな気持ちは抑えられないし、仕事は休むわけにはいかないから。」




またもや悪びれる様子もなくひょうひょうと答える西山。






「そういえば…今度ひまりが恋愛モノの映画の主役に抜擢されたんだけど、知ってる?」




「知ってる。」






そのために付き合ってるからな!





「その主人公が恋する相手役……俺なの☆」










コイツが………!?




またコイツと!?





「今回ラブシーン多めなんだよね。ラッキー☆」




「………………て……めぇ………!」





何かがプツンと切れ、俺の握り拳は西山の顔をめがけて動いたが、寸前で止められた。




西山の手によって。




「……なんじゃん。怒るってことはやっぱり好きなんだ、ひまりのこと。」





俺が…………アイツを?





「最近ひまりの様子が変なんだよね。仕事のときもボーっとしちゃって全然集中してないし…今までそんなことなかったのに。



泉くんがドラマの撮影に来たあの日以来、ひまりちょっと変わったよ。



好きなのは勝手だけどさ、ひまりの仕事の邪魔になるようなことはしないでくれる?



ひまりは今マスコミからの注目度が高い。次の映画がひまりの今後の女優人生に関わってくるんだ。



それくらい頭のいい泉くんなら分かるでしょ。



ひまりに余計な感情持たせないで。」



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