シュガーベイビー★キス
まるで超常現象。
怪奇現象。




「…ちゃんとわかってるよ?でも好きになったらしょうがないよね?」



いや…

よね?って聞かれても……


知らねぇよ。



「その…俺は…誰とも付き合う気は…ないから…」



黒川くんの気迫に押され、俺は最終手段であるカニ歩きで横に一歩進んだ…



けど…



進んだ道を黒川くんの腕が遮った、そして、反対側も。


つまり、黒川くんの両腕が俺の顔の横にあって俺は身動きが取れなくなっていた。



このパターンは何度も経験したことがある。




マズい。






俺は目を合わせないようにして下を向いた。




「すいませんが、どいてくれる?」



いくら黒川くんがかっこよくても、俺は男にこんなことされて喜ぶヤツじゃない。


近い、離れて。



「嫌だ。好きなんだもん、俺のものにしたいくらい。」


「…………………」




背中に悪寒が走る。



寒い…


え、なにココ。


北極圏?



誰か温かい毛布を僕にください。


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