シュガーベイビー★キス
「俺、アイツに振られてるから。」



「え?でも付き合ってたって…」



「誰から聞いたのソレ。」



「は、ハルさんからさっき…付き合ってたんだけど色々事情があって別れちゃったって…だけどハルさんは今でも泉先輩が好きそうでした…」




「んなわけねーよ。だってアイツが好きなの奏だもん。」



「ええっ!?」




大きい声を出しかけ慌てて手でふさぐ。




「確かに俺たちは付き合ってたよ。だけど、ハルはずっと奏を見てた…それで、もう自分の気持ちにウソつけないから…ごめんって……だからアイツが俺を好きなんてことはありえねぇ。」




そう…なのかな…?


なんだかハルさんの言い方だとまだ未練がありそうに感じたんだけど…違うのかな…




「俺ってさー…認めたくないけど…その辺の女子よりめちゃくちゃかわいいじゃん?」



「はい…。」



「なのに奏はめちゃくちゃカッコイいじゃん?」



「そうですね…」




「結構俺の中で奏の存在ってデカくてさ…コンプレックスのひとつなんだよね。なんで兄弟なのにこんなに違うんだろうって…俺も奏みたいに生まれてたらハルは見てくれたんじゃないかって…そう思った。まわりのヤツらは何も知らないくせに可愛い可愛いって騒いで…俺がどんな思いか知らねーだろって思ったらムカついて…気づいたらこんな性格になっててさ…俺、本当は超ガキなんだよね。」






泉サマもあたしみたいにたくさん考えたり悩んだりしてたんだ…


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