シュガーベイビー★キス
――放課後――




「くはーっ!食った食ったー♪」



「オヤジかてめぇは。」




放課後、悠太と一緒にファミレスで宿題を終わらせた。会計を済ませ外に出ると、あたりはもう暗くなっていた。



8時か…



家帰ったら風呂入って即爆睡だな。




「でもいずみんからファミレス行こうって誘うとはどういう風の吹き回しよ?」



「…別に。たまには悪くないかと思って。」





正直今はあまりひとりでいたくない。


ひとりになると神戸のことを考える時間が多くなるから。



それで考え出すと会いたくなって、


我慢しようと思うとイライラしてきて、


イライラすると西山が出てきて、


西山のこと考えるとめちゃくちゃ不安になって、


葵の言葉を思い出す。





俺と神戸を繋ぐ確かなモノってあるのかな。



付き合ってもなくて、

ちゃんと告白もしてなくて、


なんとなくお互いが想い合ってるって、そんなフワフワしたモノが果たして、俺たちを繋いでくれるのだろうか。





「う…!」



「なんだよ。」



「ちょっと食べ過ぎたみたい……腹…いてぇ………」



「はあ!?」




さっきまで上機嫌だった悠太が苦悶の表情で腹を押さえ出した。





「こんなクソ寒いのにドリンクバーでコーラ飲み過ぎたのがいけなかったのかな………う!」





アホだ、コイツ。




「ちょっとそこのコンビニのトイレ…借りてくるから…待ってて。」



「いや、寒いから帰りたいんだけど…。」




「待ってて!!お願い、待ってて!」




「分かったから早よ行け!」




腹痛に苦しむ悠太のケツに蹴りを入れコンビニに送り出す。



ったく…ファミレス出る前に済ませとけっつーの…


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