シュガーベイビー★キス
ふと、反対側の車道に見覚えのある車が止まっているのが目に入った。




あれ…奏と同じタイプのワゴンじゃん。






……………ん?

んん!?








車の中から出てきたのは、






「………西山?」





距離があるからハッキリとは見えないが…あの背格好といい、普通の高校生とは思えないオーラといい、西山であることに間違いはない、ハズ…




こんなとこで何してんだ?




止まった場所はメンズのアパレルショップの前。




あぁ…そういやここ、前にハルと買い物に来たっけ。葵の誕生日プレゼント買いに。





西山はキョロキョロとあたりを見渡したあと、車の中に向かって手招きした。







誰か一緒?






………………………誰か?










ものすごく嫌な予感がした。




そして、






見事に的中した。







「…………神戸…?」









なんで…?






俺の前にいる2人はいそいそとショップの中に入って行く。





見間違いであってほしい…




俺は無意識のうちに携帯をポケットから取り出し、神戸の携帯へと電話を掛けていた。





西宮ほどじゃないけど、



俺って実はストーカー気質があるのかもしれない。





頼むから、見間違いであってくれ。





呼び出し音が鳴る。





俺の願いも虚しく、10数メートル先で電話に出る姿が見えた。




やっぱり……



神戸か。




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