シュガーベイビー★キス

やり………直す？




それって…つまり…




もう１度、ハルと付き合うってこと？






「…………だめかなぁ。」







雨粒が傘を叩いて地面に落ちる。



雨粒と一緒に俺の中にあったハルとの思い出も流れて落ちていく気がした。








「ハルのこと…好きだよ。」





好きだけど………




ごめん…





今は違うんだ。






「……………あ…。」




抱きついていたハルの視線の先を目で追う。








「……………神戸！？」





そこに立っていたのは、神戸で、あの日から何も変わっていない神戸で…





なんで…こんなとこにいんだよ。





傘を持っていない神戸はびしょ濡れで、道端に捨てられたら子猫みたいに、寂しそうな悲しそうな顔をして立っていた。




顔も雨のせいで濡れていたけど、泣いていることは、分かった。







「か、神戸……なんで…」



「あの…あたし…………ごめん…なさい………ごめんなさい………っ。」




「おい、神…！」




「やだ！泉、行かないでよっっ！」





その場から駆け出した神戸を追いかけようと走り出した俺の腕をハルが掴んで引き止めた。









「ハル………」




「やだ…泉まで…ひまちゃんに取られたくないよ……行かないでよ！！お願いだから…」




ハルはその場に泣き崩れた。





泉まで、か……。