シュガーベイビー★キス
久しぶりに会える嬉しさと、自分の気持ちをもう一度伝える緊張から胸の鼓動が早まっていく。



泉サマ…

びっくりするかな…


プレゼントする紙袋だけはぬれないようにしなくちゃ…!



段々と強くなっていく雨粒から紙袋を必死に守る。



あとちょっと。
あの角を曲がったら………










曲がったら…………






















「…………………うそ。」









角を曲がって真っ先に目に入ったのは、




雨の中、抱き合う泉サマと……







ハル、さん…。








今、自分の目の前で一体何が起きてるの……?




全然理解できなくて………





だけど、




見間違いであってほしい、



って、心の中でつぶやいていた。





そして、どうしたらいいのか分からず呆然しているあたしに、衝撃の一言が放たれた。










「ハルのこと…好きだよ。」














ハルのこと好きだよ

好きだよ

好きだよ

好きだよ…………






好き、だよ。






泉サマが好きなのは









あたしじゃなかった。







好きだなんて勝手に思いあがってた。








あたしのことを想ってくれている



お互い想い合っている




それは、



あたしの勘違いだったのかな…。





あたしのことは好きかどうか分からない。



だからすぐに好きだなんて言わなかった。仕事のためって思ってたけど、本当は答えを先延ばしにしたかっただけ。



やっぱり泉サマはまだ…ハルさんが好きなんだ。



だから面と向かって好きって



言えるんだ。


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