シュガーベイビー★キス
自販機へ着く頃には俺の後ろには女子が群がっていた。


「いずみんの数メートル後ろ、スゴいことになってるけど。」


「知るか。大体なんでこんな遠巻きに見られなきゃなんねーんだよ。動物園かっての。」



「お前自分の立ち位置全っ然分かってないね。泉は高嶺の花、近くに寄るには恐れ多いってこと。つーか、近くで見たら見たでどうせジャマとか言うくせに。」


「まあな。」


「ひでぇやつ。」


「ギャーギャー騒ぐ女子は嫌い。うるさい。意味わかんない。」


紙パックの自販機の前でポケットから出した110円を入れ、イチゴミルクのボタンに指を向ける。



「じゃあ男ならいいんだね!?」


「んなこと言ってねーだろーが!」


「なんだ、つまんないの~。」



なんでそーなる!



「…どーでもいいけど、またイチゴミルク?」


悠太が何か言いたげな顔で俺が買ったイチゴミルクを指差した。


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