シュガーベイビー★キス
「そういえば最近、奏と会ってないなー…仕事忙しそうだし…今は誰の担当なんだっけ?」




「あぁ…神戸ひまりとか言う中学生。」



「ひまちゃん!?すごいじゃん!売れっ子マネージャーは大変だね~。」



「まあ、本人は楽しんでるみたいだけどな。」






あんな労働基準法を無視した過酷な仕事を楽しんでるアイツはMだと思う。




「ふーん……楽しいんだー…そっか…」



「……なに、会えなくて寂しいわけ?」



「そ、そそんなんじゃないけどっ…!」



「お前わかりやすすぎ…飲みもん持ってくるけど何がいい?」



「え、あぁ、メロンソーダ!」


「了解。」





見て分かる通り、



ハルは奏のことが好きだ。




そして、


奏とは



俺の兄貴である。



悲しいことに、


こんな見た目の俺と違って奏は男らしく、かわいいより“カッコいい”部類に入る。



兄弟なのになんでこんなに違うんだ?



奏は俺にとってコンプレックスのひとつでもある。



もしも俺の見た目がこんなんじゃなかったら…




ハルは俺を見てくれただろうか。



なんて、そんなこと考えてもムダか。


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