シュガーベイビー★キス
グラスを2つ取り、ハル用のメロンソーダを入れたときズボンのポケットに入れていたケータイが鳴った。






「………噂をすれば影。」




着信は奏から。



一呼吸おいてから電話に出る。





「はい。」



『あ、泉ー?お疲れーっす。』



「お疲れさまーっす。」




兄弟なのに電話の最初はこんな友だちみたいな挨拶から始まる。



真白家ではごく普通のこと。




『お前今どこいんの?』



「ファミレス。」



『ひとりで!?さびしいやつだな~。』



「まだ何も言ってねーだろーが!ハルとだよ。」



『あぁ、そうなん?いいな~高校生は楽しそうで。』



「オヤジか、てめぇは。で、何の用だよ。」



『あぁ、そうそう。今日なんだけど、メシ食ったら早く帰ってこい。』



「なんで。」



『話がある。』



「なんの。」



『お前にとっていい話。』



「……なにそれ。全然ワクワクしない前フリだけど。」



『儲け話だよ。も・う・け・ば・な・し☆』



「……儲け話?」



俺の目の中にマンガみたいな¥マークが一瞬浮かんだ気がした。


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