イミテイション
「お前は何時間待たせれば気が済むんだよ…」
直人がこんな時間まで待っててくれるなんて思わなかった…
「先行っててよかったのに…」
「何回電話しても出ないから心配でここまで来たんだよ。
そしたら鍵は開けっ放しだし、テーブルの上に睡眠薬とか置いてあるし…
マジで死んでるかと思った…」
今時、市販の睡眠薬じゃ死ねないよ
そう言おうかと思ったけど、怒られそうだからやめておいた。
見た目はクールなのに、考えは幼稚なんだから…
そう思ったら吹き出してしまった。
「トモは笑える立場じゃ無いだろ」
半分呆れた声で彼がそう言った。