イミテイション


地下の駐車場に行き、車に乗り込むと、走りだした。
直人の運転はすごく丁寧で、安心して乗っていられる。
そしてあたしは、運転している彼を見るのが大好きだ。


「今日はどこまで連れてってくれるの?」


「映画。
すっごい今見たい気分なんだよねぇ…
トモくらいしか一緒に行ける人いねぇし」


トモくらいしか…
そんな風に言われたら、映画はあんまり好きじゃないけど、喜んで付き合おうって思っちゃうじゃない。


「まぁ、男同士でラブストーリーは淋しいもんね」


「そうなんだよ。
俺と趣味が合う奴も少ないからなぁ…」



そのほうがあたしにとっては都合がいいんだけどね。


そんなことを話していると、映画館に到着した。


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