イミテイション

事の始まりは…


あたしの存在理由


それが何なのかわからないと、呟いた時のことだった。


その時あたしは自分とは何なのかが、本当に分からなくなっていた。

自分は価値の無いものだと感じた。
だってだれもあたしのことを必要としていないんだもん。

だからすごく淋しかったんだ。



それを聞いた彼は妖しい笑みを浮かべて


俺がお前のこと求めてやるよ
そうすればそんなこと考えなくて済むだろ？


と、あたしの心を見透かしたようにそう言った


そしてあたしは彼に抱かれたんだ。



愛がない行為は初めてだった。


少しは悲しさもあったけど、大好きな人と繋がれるならいいかな…そう思った


その考えは間違いだったのかな？


今となってみれば、あたしたちがしている事は、ただの虚しい行為にしか思えない。

まあ…結果としてこの関係は今だに何も変わることなく続いているってわけだ。