イミテイション
その夜、あたしたちはとにかく飲んで、とにかく話した。
恋愛に関することだけじゃなく、趣味や将来の夢についても沢山話した。
いつも思うけど、頭のいい人と話すのは刺激があるから面白い。
「あ、もうすぐ終電の時間…」
時計を見ると、時刻は11時を過ぎていた。
「俺ら随分長く話してたなぁ。」
そう言って笑いあった。
「じゃあ、今日はご馳走ありがと。
うまかったよ。
もし明日から朝一人で行くのが淋しかったら、俺が駅で待っててやるから。
また連絡ちょうだい」
そういう心遣いの一つ一つに、ことばに出来ないほど感謝の気持ちでいっぱいになる。
「ありがとね。
また連絡する」
そう言って岩崎が見えなくなるまで手を振り続けた。