イミテイション
直人のいない生活ほど、楽しくないものは無い。
そう思ってしまうほど、あたしの頭は直人のことでいっぱいだった。
もともと学部も全然違うし、サークルだって活動が多いわけじゃない。
近いと思っていた部屋でさえ階が違うのだから、彼と会う機会は全くといっていいほど無かった。
会えない分、思いは募るもので…
あまりに直人の存在が大きすぎて、日に日にあたしは醜くなってしまっているような気がする。
直人を手に入れたいがために、自分はとんでもないことをしてしまうかもしれない。
そう思うと恐ろしくなった。