イミテイション


深呼吸をして直人の綺麗な黒い目を見た。


「直人…あたしも好きだよ。ずっとそう言いたかった」


「えっ…それ本当に!?
俺、振られるつもりで来たんだけど」


呆気にとられている直人がおかしかった。

「直人こそ、あの綺麗なお姉さんは彼女なんじゃなかったの?」


今度は直人が爆笑しだした。


「あぁ、あれは姉だよ」


「はぁっ!?何で早く言ってくれなかったの!?」

今まで嫉妬してたのがバカみたいじゃない。


「言うタイミングなんて無かったし。それより、お前こそあの友達はいいのかよ」


岩崎のことだとすぐにわかった。


「岩崎は友達だよ。この前告白されたけど、ちゃんと断ったし。
今では直人のファンなんだよ?」


「やっぱり俺かっこいいからね〜」


「それはどうでしょう」


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