生徒会
するといきなり崚馬さんが私の手を握って歩きだす。

「えっあの…」

崚馬さんは遊助たちに見せつけるようにギュッと手を握る。

私の心臓の鼓動がどんどん早くなっていく。

それは遊助に見られるのにドキドキしているのか崚馬さんにドキドキしているのかわからなかった。

「崚馬くん！優梨！慎司くん！」

拓海くんが駆け寄ってくる。

「ちょっ何やってんすか！優梨は俺の…！」

拓海くんは口ごもる。

「うっせーなーお前は。残念ながら優梨は俺のだ」

「えっマジっすか…？優梨が崚馬くんの彼女になったら俺なにもできなくなるじゃないっすか」

拓海くんは今にも泣きそうな顔をする。

「バーカ。冗談だよ」

崚馬さんは爆笑している。

「誰のもんでもねぇだろ。お前らは独占欲が強いんだよ」

矢神さんは呆れたように言う。

「なんだよーじゃあなんで手なんか繋いでんすか？」

「見せつけてんだよ」

拓海くんは何かを察したように納得した。

そのままみんなで生徒会室に行ったが丹羽さんはいなかった。

「何やってんだよ龍治は」

崚馬さんは丹羽さんに電話をかけている。

「おい龍…」

電話をしている崚馬さんの顔がみるみる青ざめていく。

「どうした！？」

電話をきった崚馬さんに矢神さんが聞く。

「龍治がやべぇ…」

乱暴にドアを開けて猛スピードで走っていく崚馬さんの後を矢神さんと拓海くんが慌てて追っていった。

丹羽さんがヤバい…？

私は全く授業に集中できなかった。
< 14 / 83 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop