生徒会

別れ

数日後、今日は野外学習だ。

あれから崚馬さんはみんなに謝って許してもらった。

でも、散々殴った男子生徒には許してもらえなかったみたいだ。

でも崚馬さんは謝り続けている。

「おい、優梨？」

弘樹がムッとした顔でこっちを見ていた。

「あ、ごめん」

「野菜切って！俺包丁とか使えねぇから！」

そう言って弘樹は包丁を渡してくる。

「教えるから弘樹もちゃんとやって！」

「えぇ〜」

弘樹は文句を言いながらも包丁を持って野菜に向かう。

「ちょっと指切るって！指は丸めないと！」

弘樹に教えながらちらっと拓海くんたちを見ると笑顔で喋っていた。

「優梨…お前さぁ」

弘樹はぎこちなく野菜を切りながら話す。

「ん？」

「崚馬さんのことは好きだけどホントは拓海のこともちょっとは好きなんじゃねぇの？」

「へっ？拓海くんは友達だよ」

「…俺は崚馬さんより拓海のほうが優梨に合ってると思うけど」

「変なこと言わないでよ！」

「いって！！」

全ての野菜を切り終わる頃には弘樹の手は傷だらけだった。

「優梨！弘樹！味見してみてよ〜」

沙羅が何かを持って駆け寄ってくる。

「何…これ？」