My true love
「どうして?」
今まで"生きたい"そればかりだった。でも、今は……。
私は、屋上に走った。
走ったら死ぬかも知れない事はわかっていた。
でも、もう死んだっていい。
大翔が居なくなるなら死んでもいい。
屋上への階段をかけ上がる。屋上をぐるっと一周囲む柵を越えて飛び降りようとした。
「咲季さん!やめて!」
お義母さんがあたしを呼んだ。
「咲季さん。大翔が家を出て行くって言った時、私は貴方を憎く思いました。愛する息子を返してほしいと思いました。でも大翔は本気でした。あの子があんなに粘って私達に願ったの初めてでした。貴方は大翔を変えてくれた人です。貴方を愛していたから、あそこまで本気になれたんだと思います。病気があっても大翔の分まで生きてほしい。これがあの子の気持ちだと思います。だから死ぬなんて考えないで!」