My true love
移植
大翔の脳死判定から3日後
―2月2日―
例年に例をみない程積雪を記録している。
雪が大翔の悲しみを現しているかの様に、しとしとと降りしきっていた。
そして、ついに移植の日程が決まった。
―2月14日―
バレンタインデーであり私の誕生日。
2週間。
その間に大翔が目を覚ましてくれたら、こんなに嬉しい事はない。
生まれてからずっと背負ってきた病気が治るのは、何よりも嬉しい。でも愛する人の命をもらってまで生きたいなんて、欲張りはしたくない。そのまま死を待った方がいい。
私は、人の死を待っている側の人間。
子供の臓器を他人にあげたいなんて、思う親はそういないだろう。
大翔の両親は、臓器提供を承諾してくれた。