My true love
奇跡
私の傷は日を追うごとに深く大きくなっていった。
大翔のお葬式には出られなかった。
というより出たくなかった。
お葬式に出たらサヨナラを言わなくちゃいけないから。
"サヨナラ"なんて言いたくない。
最期に、大翔の冷たくなった体が、私の病室にきた。
冷たくなった大翔の体を優しく、丁寧に、触った。私の為につけた傷。涙があふれでていた。
もう一生触ることのできない体。見ることのできない顔。
体の冷たさがまた、私の悲しみを深くした。
「咲季ちゃん。もう時間だから行くよ。」
「いやだ……。またふっと起き上がってくれる様な気がするの!連れて行かないで!ずっとそばにいたいの!」
「咲季ちゃん。大翔くんは亡くなったんだ。もう目は醒まさない。一生。」
私は大翔から離れなかった。
先生は無理やり大翔の体から私を離すと、大翔を連れて行ってしまった。
「いやぁぁ!放して!放してよ!大翔逝かないで」
こんなに悲しくて辛いなんて。
この日現実を知った。