My true love
ここから先は記憶がない。
ふと、目覚めたのは、病院だった。
ママが横でないていた。
「ママ?」
ママは泣き腫らした目でこっちを見つめると私をギュッと抱き締めた。
「ごめんね。咲季。辛かったよね、痛かったよね。ごめんね。」
私は泣いた。
ママの温もりが私の心を癒してくれた。
―次の日―
警察がきて事件当時の状況などを聞かれた。
思いだすだけで、辛い。
呼吸が苦しくなる。
私は、愛結の事は話さなかった。あんな事をされたけど、あんなに優しくしてくれたのは愛結だけ。なんてお人好しだろうと思ったけど、私が出した結論でもあった。
夜。大翔から電話があった。ケータイには沢山のメールと着信履歴があった。でも、怖くて返事ができないでいた。
「はい。」
「咲季?」
久しぶりに聞く大翔の声はなんだか疲れきっているようだった。
「ごめんね。約束破って。」
「大丈夫か?なんかあったんだろ?」
「…ウッッ。」