My true love
家に戻るまでずっとあの人がくれたメモを握っていた。
いつもより早足で帰ったせいか、息が少し上がっていた。
急いで部屋にかけ込むと、ベットにもぐり込んだ。
初めて触れた異性の人。
汗と柔軟剤が混じった匂い。
大きくて温かかった手。
私より何倍も背が高かった。
まだ、ドキドキしている。
今まで感じたことのない気持ちだった。
ーガチャー
「咲季?帰ってきたの?」
ママだ。
「あっっ…。うん。ただいま」
ママの顔をみて話すことができない。
「どうしたの?布団に潜って」
「なんでもないよ」
なんだろうこの気持ち。
この時の私にはわからなかった。
これが"恋"だなんて。