My true love


大翔は席を立ち、私の手を強く引っ張った。

その時のお父さんとお母さんの顔は一生忘れる事ができない。


「大翔……?」


「咲季!ごめん。嫌な思いさせて。咲季には聞いて欲しかったんだ。俺の気持ちを。」


「でも、本当にいいの?
全て捨てて?
後悔しない?」


「何言ってんだ。いいに決まってるだろ!俺は咲季しか愛せない。」


「ありがとう」


この日のうちに大翔と私は家を出た。行く所がないだろうと思っていたら、マンションにたどり着いた。


「ここは?」


「オウッ!」


前から来たのは背の高い男の人。


「兄貴!ありがとな」


兄貴!?
って事は大翔のお兄さん?

「紹介する。俺の兄貴の優翔(ゆうと)それと、兄貴の奥さんの深雪さん(みゆき)」


「こんにちは。」


驚き過ぎて声が出ない。







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