My true love
あれから1週間。
一度もあの日の出来事を思わなかった日はない。
授業内容が頭に入らない。
さすがに危機感を覚えて、また図書館に向かった。
いつもの席に座る。
図書館の一番端の席が私の特等席。そこから見える風景は私を"無"にしてくれる。
本の独特の香りに包まれて、一冊の本を鞄から取り出した。
『星の王子さま』
お気に入りの本。
夢が溢れてて大好きな本。
全て英語で書かれたページを一枚一枚めくる。
一文字一文字に私の気持ちが入り込み、自分の世界に浸った。
「ねぇ、きみ」
誰かが私を呼んだ。
「えっ??」
振り返るとそこにはあの時の男の人がいた。