飲まれ刻む


「神崎先輩もう帰りませんか? 明日も朝から会議あるって言ってたじゃないですか」

「なんだよ中原! ぜんぜん飲んでないじゃないか。もっと飲めぇ!」


 人の話などまったく聞いていない。

 たいした話もないくせにムダに時間をひっぱる。


 先輩は酒を片手にばんばんとテーブルを叩いたり、ビシっと私に指を向けて何かを叫んだり、終いには寝てしまう。

 かと思いきやむくっと起きて酒を煽りまた愚痴モードに入る。

 私から見れば飽きなくて面白いんだけど、回りから見ればうるさい迷惑な客なんだろうな。

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