PURELOVE
あたしが答える前に、彩花は携帯を見て言った。


「今日は、最低5通はメールしなさいよ!…あ、あたしもう行くね!彼氏と待ち合わせだから♪」


「…え、ちょ…ちょっと…」


彩花は文字通り、風のように去って行った。


取り残されたあたし。


一瞬、時が止まったような気がした。


………………


え…ちょっと待って!


あたし、彩花の分まで飲み物代出すの……?


もしかして、はめられただけ?


無償に空しくなりながら、あたしは一人帰路についた。
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