PURELOVE
「おい、離せよ!」


ん?この男…どっかで見たような…


まさかっ!


「おい、お前はっ!」


「お前っ!」


俺の声と相手の声が被った。


「あの…知り合いなの?」


立川が若干言いづらそうに俺達の顔を交互に見た。


「お前、確か去年優勝した…」


立川の言葉を若干無視して、男に聞く。


「あぁ。今年、お前の学校に準々決勝で負けた△△高校のフォワードだ!」


「やっぱりな。何でこんな所にいるんだよ?」


「試合見に来てんだよ!見れば分かるだろ?」


そりゃ、そうだ…


でも何かこいつムカつく。


「楓君、やっぱ知り合いなの…?」


小声で聞く立川に、俺はわざとデカイ声で言ってやった。


「あぁ。県予選ん時に当たったんだよ。ま、俺達が勝ったけどな!」


それにカチンときた様子の男。


「シュート決めたのお前じゃねぇだろ!」


こいつ…まじムカつく。


あの時はちゃんと負けを認めてていいヤツだと思ったのに、こんなヤツだったのか。


「楓君、もう行こ!…圭君、じゃあね!」


男は立川に何か言って去って行った。


外に出ようとすると、不思議そうに立川が見つめてきた。


「あれ?試合見なくていいの…?」


「…もう終わった」


「あ、そうなんだ。結果…どうだったの?」
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